薬剤師Tのあれこれブログ

薬剤師のつぶやきなどを載せています。

【大学受験生向け】薬学部の選び方

こんにちは。薬剤師Tです。

今回は、薬学部を目指している方に向けて、薬学部の選び方を考えていきたいと思います。

 

 

 

はじめに

簡単にですが、決め手となるポイントは

①偏差値

②学費

③立地

④薬剤師国家試験合格率

この4つかなと思います。

では、さっそく見ていきましょう。

 

 

偏差値

薬学部といえば、「偏差値が高め」、「医学部受験生が滑り止めで受ける」みたいなイメージが多いかなと思います。

 

概ね、このイメージは正解だと思います。

私の友人にも医学部落ちをして薬学部に来ていた人もいますし、中には仮面浪人をして医学部に合格している人もいました。

偏差値も国公立薬学部では60以上は必要になる場合が多いです。

そのため、しっかりと受験勉強に取り組まなければなりません。

 

しかし、それに対して私立薬学部は半数以上の大学が偏差値50を下回っています

つまり、私立薬学部なら受験勉強したくない人や、諸々の理由で勉強が困難だった人でも入ることは可能です。

 

したがって言い換えるなら、「偏差値の高い薬学部≒国公立の薬学部」となります。

もちろん、慶応義塾大学や東京理科大学等の例外はありますが…

 

では、どのような人が「偏差値の高い薬学部≒国公立の薬学部」に行くべきなのか。

偏差値の高い薬学部に入るべき人は2種類いると思います。

①生活困難等の理由で学費が支払えない人。

②将来、研究職、MR(医薬情報担当者)につきたいと思っている人。

 

①生活困難等の理由で学費が支払えない人。

これは、わかりやすいと思います。

私立の薬学部となると、学費は総額1000万円以上になります。

それに対し、国公立の薬学部はおよそ400万円程度です。

そのため、金銭的な余裕がない人は国公立を目指すのが現実的だと思います。

 

しかし、奨学金制度や大学の成績優秀者の制度を使えば、私立薬学部でも学費を減らすことができますので、どうしても薬学部に行きたい人は活用してみましょう。

奨学金は、いわゆる借金なので将来的に返す必要があります。)

 

 

②将来、研究職、MR(医薬情報担当者)につきたいと思っている人。

これは、あまり想像がつかないかもしれませんが、研究職、MRを目指したい方は偏差値の高い薬学部を目指しましょう。

なぜ、研究職やMRが私立薬学部から出にくいのか理由を考えてみましょう。

 

研究職

その名の通り、製薬メーカーに勤め、研究に従事する仕事です。

なぜこの職業が私立薬学部から生まれにくいかというと、私立薬学部は研究よりも薬剤師国家試験合格に重点を置いているからです。

そのため、卒業研究はそこそこにして、あとは国家試験のための勉強というところも多いようです。

また、私立薬学部は偏差値が低いところが多く、入学時点で化学の基礎もあまりわかっていない人が多いです。そのため、国公立の学生についていけないという現状もあります。

まとめると、国公立と私立の薬学部では研究や学生の知識のクオリティに差があり、それ故、国公立薬学部は研究職になりやすいといえます。

 

MR(医薬情報担当者)

MRは少し聞きなじみのない職業かもしれません。MRとは医療機関に医薬品情報の提供・収集をおこなう職業を指します。いわゆる営業職ですね。

なぜこの職業が私立薬学部から生まれにくいかというと、この職業は薬学部以外の人もなることができるためです。

特に、MRは年収700万円~1000万円程度稼げる職業ですので、それ相応の人気があります。また、製薬企業に勤めるということは、言い換えれば一流企業に勤めることになりますので、競争率が高く就活では偏差値によるフィルターがかかりやすいです。

 

逆にこれらの条件に当てはまらないのであれば、私立の薬学部でもほとんど問題ないです。

ドラッグストアや調剤薬局、病院や公務員として働く場合、大学の偏差値が採用、不採用に関係することはまずないです。

 

参考までに

国公立薬学部の偏差値

www.minkou.jp

私立薬学部の偏差値

www.minkou.jp

 

 

学費

偏差値の項目にも書きましたが、学費は圧倒的に国公立薬学部のほうが安いですので、学費で選ぶのであれば、国公立薬学部一択です。

私立の薬学部となると、学費は総額1000万円以上になります。

それに対し、国公立の薬学部はおよそ400万円程度です。

 

しかし、上記したように私立薬学部にも学費を安くする方法があります。

それは成績優秀者になることです。

私立の名城大学についてみてみましょう。

 

入試成績優秀奨学生

一般入学試験(A方式)において、各学部成績上位の合格者(対象者約400名)の内、入学した者

給付額は、授業料年額の1/2(入学年度のみ対象)です。

 

学業優秀奨学生

新4年次生で、3年次までの学業成績および人物優秀者
成績基準:次の(1)および(2)に該当する者
(1)3年次までに93単位以上を、修得している者で、卒業見込みの者(薬学科を除く)
(2)履修登録科目の平均点が80点以上の者

これらを満たす人の中から、2名が対象です。

給付額は、授業料年額の1/2です。

 

このように、成績が優秀であると給付金がもらえるようです。

しかし、対象者が2名であったりと狭き門であることは間違いないので、大学では勉強中心の生活をしなければならないと思います。

 

つまるところ、学費を安くしたいのであれば、大学受験で必死に勉強するか、大学に入ってから必死に勉強するかの二択になると思います。

そういう点では、入ってから成績をあまり考えなくてもいい国公立大学に合格するのが一番だと思います。

 

 

立地

これは自宅からの近さや、駅に近いかなどで選ぶ考え方です。

ただ漠然と薬学部に行きたいと思っている人は、この選び方も1つの方法だと思います。

まずは、自分の家から通えるところにある薬学部を探してみましょう。

特に私立の薬学部は多く設立されていますので、自宅から通いやすい大学が見つかるかもしれません。

 

 

薬剤師国家試験合格率

これは、薬剤師免許を取るのに必要な国家試験の合格率を基準に選ぶ考え方です。

薬学部を出た以上、やはり薬剤師の免許は欲しいところです。

そのため、将来薬剤師の免許を使って活躍したいという人は合格率を基準に選ぶのがいいと思います。

 

以下に薬剤師国家試験(106回)の合格率TOP10を書いておきます。

黒字は私立大学、赤字国公立大学です。

1位「医療創生大学」95.92%
2位「金沢大学」94.74%
3位「名城大学」92.68%
4位「星薬科大学」88.85%
5位「北里大学」88.26%
6位「京都薬科大学」88.09%
7位静岡県立大学」86.96%
8位広島大学」86.84%
9位北海道大学」86.11%
10位「昭和大学」86.1%

 

参考までに

medical.nikkeibp.co.jp

 

こうしてみると、国家試験はやや私立大学のほうが強いようにみえます。

薬剤師国家試験の合格率はおよそ70%ですので、上位10大学がいかにすごいかがわかりますね。

 

しかし、すべての私立大学が合格率がいいというわけではないです。

大学別合格率は、

国立81.3%

公立83.64%

私立67.75%

となっています。

 

また、合格率が最下位であったのは私立大学第一薬科大学であり、その合格率は31.46%でした。

ちなみに国公立の最下位は京都大学73.68%でした。(和歌山県立医科大学山陽小野田市立山口東京理科大学は合格率が分からなかったので除外しています。)

 

また、私立の薬学部のうち合格率が高いところは進級や卒業試験でふるいにかけ、合格できるであろう生徒にしか国家試験を受けさせず、残りの生徒は留年にするようなところもあるようです。

 

例えば、合格率第1位の医療創生大学の薬学部の1学年定員は90名ですが、今回の薬剤師国家試験の新卒出願数はわずか56名で、実際受験したのはわずか43名しかいないようです。

つまり半分ほどの生徒は何らかの理由で国家試験を受けてすらいないことになります。

 

このような実態もあるため、私立の薬学部に進む方は覚悟をしておいたほうがいいと思います。

逆に考えれば、嫌でも勉強をしなければならない環境に身を置けるわけですから、卒業試験に向けて必死に勉強し合格すれば、薬剤師国家試験はかなりの確率で合格できるということです。

 

何が言いたいかというと、楽して偏差値の低い大学に入ったとしても、その先に待ち受けているのは勉強しかないということです。

また、合格率が一番低い大学でも3人に1人くらいは受かっているわけですから、結局は大学でいかに勉強するかが薬剤師国家試験合格のカギになってきます。

そして、そのような勉強がしやすい環境が整っているのが、合格率の高い大学だと思います。(一部の大学はスパルタ教育かもしれませんが…)

 

 

まとめ

結論としては、基本的に家から近い国公立の薬学部に通うことをお勧めします

近くにない人は一人暮らしなどをしてみるのもいいかもしれません。

学費の観点や将来の進路の広さ、薬剤師国家試験の合格率、どれを取ってみてもやはり国公立大学のほうが魅力があります。

 

もちろん、私立薬学部がダメだというわけではありません。例えば、名城大学は国家試験の合格率も高いですし、愛知県付近での就職に関してはかなり強いと聞きます。

しかし、まずは国公立を目指して勉強をし、ダメだった時のセカンドプランとして私立の薬学部のうち国家試験合格率の高い大学を目指すのがいいと思います。

そして、それでもダメだった時の最終手段として国家試験合格率の低い私立大学を選ぶようにしましょう。

 

 

さいごに

長々と書きましたが、結局は大学に入ってからどれだけ頑張れるかが一番重要です。

京都大学に頑張って合格しても、大学生活で遊んでばかりいると不合格の約30%の中に入ってしまいます。(京都大学の場合、研究職に進むから薬剤師の免許いらないみたいな人は一定数いると思いますし、それ故に合格率が下がっているのだと思いますが…)

 

そして何より伝えたいのは、薬学部での6年間は勉強三昧です。本当に高校生活の延長みたいな生活が待っています。(いわゆる、夢のキャンパスライフみたいなものはほとんどないです。)

しかし、その中でも時には遊び、時にはアルバイトで働き、お酒を飲んだり、たばこを吸ったりと、高校生までではできなかったこともたくさんできます。

 

ですから、あまり怖がらず、薬学というものに興味がありましたら、ぜひ薬学部を目指してください。

大丈夫です、大学生活の忙しさにはそのうち慣れます。

そして卒業するころには思います。「6年間短かったなぁ」と。

 

それでは、皆さんの大学受験がうまくいきますよう、心からお祈りしています。

【薬学生必見】薬剤師国家試験勉強法②

こんにちは。

薬剤師のTです。

今回は、前回書きましたように参考書選びについて解説します。

 

 

 

はじめに

とりあえず、結論から書くと、「あなたの大学でみんなが使っている参考書」がおすすめの参考書です。

これでお終いでもいいのですが、短すぎますので少し説明をしていきたいと思います。

なお、青本オレンジブックは実際に使ったことがあるのですが、虹本は使ったことがないので、その点ご了承ください。

 

 

参考書の種類

基本的には3種類あるかなと思っています。

青本(薬学ゼミナール)

f:id:t_pharm:20210410222422j:plain

 

これがおそらく一番使われているであろう参考書ですね。

私もこれを使って勉強していました。

106回国家試験の対策版からカラー印刷になり、参考書と問題集を分割できるようになってかなり使い勝手がいいです。

個人的には、特にこだわりがないのであれば青本をお勧めします

欠点としては、参考書の紙質が結構ツヤツヤなので、光を反射しやすく目が疲れやすいと私の友人は言ってました。

 

全巻合わせて41,800円(税込)くらいだと思います。

まとめ買いや、大学によっては割引などもあるかもしれません。

 

オレンジブック(メディセレ)

 

f:id:t_pharm:20210410222643p:plain

 

これもそこそこ有名な参考書だと思います。薬理と病態・薬物治療の二冊だけ持ってました。(あんまり使ってないけど…)

青本との違いは、ゴロが載っていたり、薬学コラムなどから雑学を学べる点です。

自分でゴロ合わせを作るのが苦手な人や、雑学的な背景を知っていたほうが覚えやすいという方はオレンジブックもおすすめです。

しかし、今の時代ネットがありますので、ゴロ合わせや雑学も検索すれば出てくるものが多く、それが載っていることがものすごいメリットになるかは微妙な気がします。

 

全巻合わせて36,190円(税込)くらいだと思います。

まとめ買いや、大学によっては割引などもあるかもしれません。

 

 

③虹本(ファーマプロダクト)

 

f:id:t_pharm:20210410223815j:plain

 

最後に紹介するのは、虹本です。

私は使ったことがないので、詳しいことは言えません。(申し訳ございません。)

単元ごとに過去10年分の過去問と、重要国試問題、オリジナル問題が収載されているようで、数を多くこなしたい人は虹本がおすすめだと思います。

 

全巻合わせて36,520円(税込)くらいだと思います。

まとめ買いや、大学によっては割引などもあるかもしれません。

 

 

その他の参考書

上記のような、総合的な参考書ではなく、暗記や理解の手助けとなる参考書を少しご紹介します。

 

薬剤師国家試験のための薬単

 

 

私の友人が使っていた医薬品の暗記帳です。

タイトルにもある通り、薬剤師国家試験にフォーカスされているので、無駄なく薬を暗記できると思います。

赤シートで隠して覚えられる点もgoodです。

 

 

②パザパ薬学演習シリーズ(6)薬物速度論演習

 

f:id:t_pharm:20210410231337j:plain

 

薬物速度論がこれ一冊で分かります。

国家試験直前期ではあまり使いませんでしたが、私は薬物速度論の基礎をこの本から学びました。

時間に余裕があって、薬物速度論をしっかりと学びたいという人にはお勧めです。

他にもパザパシリーズは出ていますので、興味があれば見てみてください。

 

 

その他の教材

①模試

各社が行っている薬剤師国家試験の模試です。

模試は必ず数回受けましょう。

模試では各社、最新の医薬品や話題の医薬品を出題するなど、国家試験に向けての最新情報を取り入れているので、これを復習するメリットは大きいです。

また、試験本番と似た環境でテストを受けることができるので、時間配分や休憩時間の使い方など、本番に向けての作戦を考えることができます。

 

 

②予備校・映像授業

各社が行っている薬剤師国家試験の予備校・映像授業です。

私は、薬ゼミの冬期講習と直前講習を受けました。

メリットとしては、模試と同じように最新の情報が得られる点です。また、参考書には載っていない語呂合わせや、覚え方のコツ、そもそもどこが重要でどのように考えればいいか等、様々なことが学べます。

デメリットとしては、分かった気になってしまうところです。しっかりと復習するということを忘れないようにしましょう。

 

 

③薬剤師国家試験の過去問

薬剤師国家試験の過去問です。

本番の難易度そのままに試験を受けることができます。厚生労働省のページに行けば無料で手に入るのも大きなポイントではないでしょうか。

過去問はやっておくに越したことはありませんが、そこまでたくさんやる必要はないと思います。(参考書の問題集である程度網羅できるため。)

もちろん、過去問だけで乗り切ろうとする考えは危険ですのでやめましょう。

 

 

薬剤師国家試験の範囲外も学びたい人向け

ここからは、薬剤師国家試験以上の知識を学びたい人向けです。

もちろんこれらを理解すれば、薬剤師国家試験に必要な知識は手に入りますが、圧倒的に効率が悪いです。

ですので、これらの本は知識を深めるという部分で活用してください。

 

①薬がみえる

 

 

きれいなイラスト付きで薬について学べます。

国家試験の勉強だけでなく、将来薬剤師として働き始めてからも使える本です。

 

 

②病気がみえる

 

 

「薬がみえる」の、病気バージョンです。

これも疾患について、わかりやすくイラスト付きで載っています。

青本等で勉強すると、その病気がどんな病気であるかわからないまま薬を覚えてしまうということが多発してしまいます。

そのギャップを埋められるのがこの本だと思います。

 

 

③論文

論文を読むと、様々な最新知識が手に入ります。

卒論を書き終わると、論文なんて見たくなくなりますが、薬剤師として働き始めてから、論文を書くことになる人もいると思うので、様々な論文に触れることはいいことだと思います。

 

 

大事なこと

まず基本的には、最初に紹介した三種類の参考書から一つ選んで勉強するのがいいと思います。

勉強では当たり前のことですが、一つの参考書を完璧にしてください。青本を選んだなら、オレンジブックや虹本に浮気をしないこと。

 

その参考書が完璧になれば、他の教材なんて使わなくても国家試験は受かります。

それくらい、参考書のやりこみは重要です。

 

また、早めに始めるに越したことはありません。直前に詰め込むよりも、時間をかけてゆっくりと学習したほうが精神衛生上もいいと思います。

 

そして何よりも、本番で焦らないよう模試を活用することです。

 

 

さいごに

今回は、参考書選びについて解説しました。

最初に言ったように「あなたの大学でみんなが使っている参考書」がおすすめの参考書です。

これには様々な理由がありますが、一つは友達への質問や情報交換がしやすいということです。

受験はある種の情報戦でもあります。どのような範囲が出題されやすいか、どの範囲は捨ててもいいのか等、簡単に情報のやり取りができるようにしておくのは重要だと思います。

 

次回は、科目ごとの勉強の仕方について解説したいと思います。

最後に、皆さんの国家試験合格を心よりお祈りいたします。

【薬学生必見】薬剤師国家試験勉強法①

薬剤師国家試験の勉強法について、解説していきたいと思います。
少しでも薬学生の皆さん、もしくは将来薬学部を目指している方のお役に立てれば幸いです。


今回は、薬剤師国家試験ではどのくらい点数を取ればよいかについて書いていきたいと思います。

 

 

 

はじめに


まずは、私が合格した時の成績をご覧ください。

 

f:id:t_pharm:20210410210031j:plain




こんな感じです。よくもなく悪くもなくといったところでしょうか。
この画像にも書いてある通り、薬剤師国家試験は1問2点換算です。
つまり、今回の薬剤師国家試験では344問(688点)が不備なく出題されたということです。


ここで、薬剤師国家試験に詳しい方なら「あれ?」と思ったかもしれません。
そうです、薬剤師国家試験で出題される問題は345問(690点)のはずです。


あと1問どこに行ったかというと、いわゆる廃問です。
問題に不備などがあり、採点をしない問題のことですね。
ここで何が言いたいかというと、「薬剤師国家試験では、廃問はほとんど出ない」ということです。


学生の方ならわかると思いますが、自分が間違えた問題が廃問になると、その分点数が上がり嬉しくなるものです。
しかし、薬剤師国家試験ではそのようなことはほとんど起こらないです。
そのため、確実に合格点以上をとるだけの勉強量が必要になってきます

 


合格点について


では、薬剤師国家試験の合格点は何点なのかが重要になってきます。
基本的には、225問(450点)を目指して勉強するのがいいです。


過去の薬剤師国家試験の合格点の推移をみていきましょう。

 

f:id:t_pharm:20210410210158p:plain



 

こんな感じです。
見てわかるとおり一番合格点が高かった年が225問です。
基本的にはこの点数は越えないであろうと予想されていますので、この点数を目指して頑張りましょう。

 


点数配分について


自分で言うのもなんですが、私の点数の取り方が比較的王道だと思います。


簡単に書きますと、

必須問題…8割以上(144点以上)
理論問題…5.5割以上(115点以上)
実践問題…6.5割以上(194点以上)
-----------------------------------------
計 453点/690点


これで、目標の225問(450点)に到達できます。
では、必須問題、理論問題、実践問題に分けて解説していきます。

 


必須問題


結論から言うと、必須問題を8割取れない人は、国家試験に受かるのは難しいです。
なぜなら、必須問題で他の問題(主に理論問題)の失点分をカバーする必要があるからです。
詳しく見ていきましょう。


必須問題は180点満点(全90問)、合格点は126点以上です。
つまり、ここで126点に足りなければ、最終的な合格点を超えていても不合格となります。
また、科目ごとにも合格点があり、一つでも落とすと不合格となります。


それぞれの合格点は以下の通りです。

物理・化学・生物…10点以上/30点
衛生…6点以上/20点
薬理…10点以上/30点
薬剤…10点以上/30点
病態・薬物治療…10点以上/30点
法規・制度・倫理…6点以上/20点
実務…6点以上/20点


つまり、どれか一科目でも3割を切ると不合格ということですね。
これは、覚えておかなければならない点だと思います。
なぜなら、必須問題レベルでは、捨て科目を作ってはいけないということだからです。
そのため、苦手な科目でも必須問題には答えられる知識は身に着けておきましょう。


では、126点取れればいいのかということですが、結論から言うとNOです。
180点のうち7割を取ることで126点に達しますが、必須問題では最低8割(144点)くらいの点数は欲しいところです。
それは冒頭にも書いた通り、他の問題の失点をここで補う必要があるからです。
また、必須問題レベルの問題を8割取れる知識がないと、理論や実践問題の点数も目標より低くなる可能性が高いです。

 


理論問題


理論問題は、正直難しい問題が多いです。
ですので、目標は5.5割とかなり低めに設定してあります。


理論問題のポイントは、捨て科目を作ってもいいです。
詳しく見ていきましょう。


理論問題は最初に言ったように難易度が高いです。
特に、物理・化学・生物がかなり難しいです。
ですので、物理・化学・生物については捨て科目でいいと思います。


しかし、適当に選んでマークしてはいけません
消去法で解けるものや、時には明らかに正解になるものが潜んでいます。


例を紹介しましょう。
106回薬剤師国家試験の問100、物理の問題です。

 

f:id:t_pharm:20210410210131p:plain

f:id:t_pharm:20210410210135p:plain





どうですか?解けましたか?
文章が長く飛ばしてしまった人は要注意です。
本番で同じことをしないように。


国試解説のサイトではないため、簡単に書きますが。
消去法の視点から考えると「イ」の選択肢から考えたほうがいいです。
Kが大きいほど親和性が高い(吸着しやすい)という文から、k1が大きいほどKが大きくなることがわかります。
k1が吸着で、k-1が脱着の速度定数ですからね。
つまり、分子にk1があるもの(選択肢1,3,5)が正解になります。
この時点で6択から3択に絞り込むことができています。


このようにして、少しでも正解できる確率を上げるというのを意識しながら解きましょう
ちなみに、正解は「5」です。


さらに、付け加えると理論では時間との勝負になることが多いです。
特に計算問題が多くなると、時間の余裕は少なくなります。
人によっては見直しが十分にできなかったりもします。
そのため、一つの問題で考えすぎず、次の問題へ進むといった思い切りの良さも重要になってくると思います。


この辺の、捨てる問題や拾う問題のチョイスは個人の得手不得手で変わってくるので何とも言えません。
そのため、模試などを用いて、考えれば解けそうかどうかをかぎ分ける嗅覚を養っておくといいと思います。

 


実践問題


実践問題は、問題ごとの難易度にバラツキがあります。
難しい問題もあれば簡単な問題もあるといった感じです。
特に常識的に考えれば解けるような問題も多く出題されますので、そのような問題を間違えないように注意しながら解きましょう。
目標は6.5割です。


では、ここで一問。
106回薬剤師国家試験の問335、実務の問題です。

 

f:id:t_pharm:20210410210154p:plain




正解は「4」です。
どうでしたか?おそらく多くの人が正解できたかと思います。
なぜこの問題を出したかというと、私が本番で間違えてしまった問題だからです。


普通に考えれば解ける問題ですが、なぜ間違えたのでしょうか。
薬剤師国家試験は、2日通しての試験ですので、実践問題にたどり着くころには疲弊しています。
そのため、「誤っているものを選べ」や「1つ選べ」、「2つ選べ」といった問題文中の指示を読み飛ばしてしまったのです。
私は、幸運にも余裕をもって合格できましたが、この一問が原因で不合格になる可能性もあったわけです。
ですので、くれぐれも皆さんは見直しをしっかりしましょう

 

 

禁忌肢について

薬剤師国家試験には禁忌肢というものが設定されています。

禁忌となる選択肢を一定数以上選ぶと、その時点で不合格になるというシステムです。

 

基本的にですが、禁忌肢は一般的な常識があれば選ばないと思います。

実践問題のほとんどの人が解けたであろう問題を間違えた私でも、禁忌肢の選択数は0問でした。

ですので、必要以上に禁忌肢を恐れる必要はないです。

 


合格率について


合格率に関しては、あまり気にしても仕方ないと思いますが一応触れておきます。


突然ですが、問題です。
Q,次の中で一番合格率の低い国家試験はどれでしょうか?

①医師国家試験
②薬剤師国家試験
③看護師国家試験


まぁ、問題出すくらいなのでわかると思いますが、答えは②。
そうです、薬剤師国家試験が一番合格率が低い試験となります。


参考までに、2021年実施の国家試験の合格率を比較すると、

医師国家試験…91.4%
薬剤師国家試験…68.66%
看護師国家試験…90.4%

となります。


薬剤師国家試験は、他の二つの国家試験と比較しても合格率は低く、比較的落ちやすい試験といえます。
ですので、しっかりとした試験対策をしましょう。

 


大学による合格率の差


また、大学によっても合格率に大きく隔たりがあります。
106回国家試験においては合格率一位が医療創生大学の95.92%、最下位が第一薬科大学の31.46%です。

 
参考までに、

medical.nikkeibp.co.jp


ここで言いたいのは、自分のいる大学の合格率をしっかり把握しておくことです。
特に合格率の低い大学の人は、「友達が余裕そうだから、自分も大丈夫だろう。」と慢心せず、しっかりと勉強をすることをお勧めします。


また、薬学部を目指している受験生は、偏差値だけでなく薬剤師国家試験の合格率から大学を選ぶのもいいかもしれません。

 


さいごに


今回は、薬剤師国家試験ではどのくらいの点数を取ればよいかについて書きました。
結局は、どの大学を卒業しようが国家試験で合格できるかは各々の努力次第です。
今回は目標を225点としましたが、余裕をもって受かりたいならもっと上を目指すべきなのは言うまでもありません。
そのため、今の学力に慢心せず、勉強に取り組んでもらえたらなと思います。

 

次回は、参考書選び等について書きたいと思います。
最後に、皆さんの国家試験合格を心よりお祈りいたします。

プライバシーポリシー

こんにちは。管理人の薬剤師Tです。下記、「プライバシーポリシー」に関して記載致しましたので、ご一読願います。

 

当サイトに掲載されている広告について

当サイトでは、第三者配信の広告サービス(もしもアフィリエイト)を利用しています。
このような広告配信事業者は、ユーザーの興味に応じた商品やサービスの広告を表示するため、当サイトや他サイトへのアクセスに関する情報 『Cookie』(氏名、住所、メール アドレス、電話番号は含まれません) を使用することがあります。
またGoogleアドセンスに関して、このプロセスの詳細やこのような情報が広告配信事業者に使用されないようにする方法については、こちらをクリックしてください。

 

 

当サイトが使用しているアクセス解析ツールについて

当サイトでは、Googleによるアクセス解析ツール「Googleアナリティクス」を利用しています。
このGoogleアナリティクスはトラフィックデータの収集のためにCookieを使用しています。
このトラフィックデータは匿名で収集されており、個人を特定するものではありません。

この機能はCookieを無効にすることで収集を拒否することが出来ますので、お使いのブラウザの設定をご確認ください。
この規約に関して、詳しくはこちら、またはこちらをクリックしてください。

 

 

当サイトへのコメントについて

当サイトでは、スパム・荒らしへの対応として、コメントの際に使用されたIPアドレスを記録しています。

これはブログの標準機能としてサポートされている機能で、スパム・荒らしへの対応以外にこのIPアドレスを使用することはありません。

また、メールアドレスとURLの入力に関しては、任意となっております。
全てのコメントは管理人である薬剤師Tが事前にその内容を確認し、承認した上での掲載となりますことをあらかじめご了承下さい。

加えて、次の各号に掲げる内容を含むコメントは管理人の裁量によって承認せず、削除する事があります。

  • 特定の自然人または法人を誹謗し、中傷するもの。
  • 極度にわいせつな内容を含むもの。
  • 禁制品の取引に関するものや、他者を害する行為の依頼など、法律によって禁止されている物品、行為の依頼や斡旋などに関するもの。
  • その他、公序良俗に反し、または管理人によって承認すべきでないと認められるもの。

 

免責事項

当サイトで掲載している画像の著作権・肖像権等は各権利所有者に帰属致します。権利を侵害する目的ではございません。記事の内容や掲載画像等に問題がございましたら、各権利所有者様本人が直接メールでご連絡下さい。確認後、対応させて頂きます。

当サイトからリンクやバナーなどによって他のサイトに移動された場合、移動先サイトで提供される情報、サービス等について一切の責任を負いません。

当サイトのコンテンツ・情報につきまして、可能な限り正確な情報を掲載するよう努めておりますが、誤情報が入り込んだり、情報が古くなっていることもございます。

当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。

 

 

プライバシーポリシーの変更について

当サイトは、個人情報に関して適用される日本の法令を遵守するとともに、本ポリシーの内容を適宜見直しその改善に努めます。

修正された最新のプライバシーポリシーは常に本ページにて開示されます。

運営者:薬剤師T

お問い合わせ

form.run

お問い合わせは上記のリンクからお願いします。

 

 

お問い合わせ内容は以下から選択するようにお願いします。

 

お問い合わせA

ブログ記事についてのお問い合わせ

 

お問い合わせB

その他メディア(Twitterなど)に関してのお問い合わせ

 

お問い合わせC

お仕事のお問い合わせ

 

その他

上記以外のお問い合わせ