【薬学生必見】薬剤師国家試験勉強法④
こんにちは。
薬剤師Tです。
今回は、前回の続きで薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務についてそれぞれの勉強法を解説していきたいと思います。
はじめに
前回もお話ししましたが、まずは、実務以外の青本を1周終わらせるのを目標に勉強してください。
1周ですべてを完璧にする必要はないので、周回することを前提にテンポよく進めていきましょう。
青本の使い方は、各々異なると思いますが青本すべてを覚えることなんて不可能です。
赤字をすべて覚えるのも結構きついと思います。
ですので、重要なところはしっかりと、捨てるところはあまり勉強しないようにしましょう。
勉強は、青本を読んで知識をインプットし、青問を解いて知識をアウトプットする流れになります。
青問で正答率の高い問題は重要なポイントですので、しっかりと理解するようにしましょう。
では、今回解説する科目について軽く触れていきます。
薬剤は、暗記と計算に大別されます。暗記は薬物動態と製剤学の分野が中心に、計算はやや複雑で慣れが必要です。
病態・薬物治療は、とにかく暗記。聞き慣れない単語とかもたくさん出てくるので、個人的には苦手な分野でした。
法規・制度・倫理は、これもとにかく暗記です。しかし、病態・薬物治療に比べてイメージがわきやすいですので比較的覚えやすく得点源になりやすいです。
実務は、実務実習の記憶と、他の科目ができていれば割と解けるので本腰を入れてやる必要はないと思います。私もこの本は半分も読んでいないと思います。
では、科目ごとに詳しく見ていきましょう。
薬剤
薬剤は理論問題で計算が出ます。
ここで結構時間を食ってしまうことが多いです。
ですので、ある程度すらすら解けるようにしておき、分からないと感じたら諦める判断をできるようにしましょう。
薬剤の内容を大きく分類すると
①薬物動態について
②計算
③製剤について
に分類できると思います。
一つずつ解説していきます。
①薬物動態について
ここは、暗記科目です。
個人的には薬剤の中ではここが一番苦手でした。
大切なのは「ADME」と「薬物同士の相互作用」です。
ADMEのそれぞれの段階で、どのような相互作用が起こるかをしっかりと覚えましょう。
例えば、テトラサイクリン系抗生物質と牛乳の相互作用は、キレートの形成による吸収過程の阻害といった感じです。
その他にも薬物相互作用はよく出題される範囲ですので、一つでも多くの相互作用を覚えておきましょう。
特にCYPが関わってくるところは重要です。
あと、TDMについて聞かれることもありますが、ここは少し優先度は低めかなと思います。
しかし、有名どころは押さえておく必要があります。
例えば、ジゴキシンの採血は7日目以降の定常状態で行うことや、バンコマイシンとテイコプラニンの違いなどです。
具体的な血中濃度が聞かれやすいのは、炭酸リチウムですかね。
あとは全血試薬を用いる、タクロリムスとシクロスポリンでしょうか。
②計算
ここは、青問の問題を完璧にできるようにしておけば十分だと思います。
特に解説することはありませんが、公式などを覚えて使いこなせるようにたくさん問題を解きなおしましょう。
③製剤について
ここも暗記です。
薬物動態と比べると、具体的なイメージがわきやすいので勉強しやすい範囲だと思います。
基本的に全範囲重要ですので、あまり捨てれる部分はありません。
点耳液、点鼻液、膣剤、生薬関連製剤はあまり出ないので、捨てるならこの範囲かなと。
特に重要なのは、「錠剤の作り方」、「滅菌法」、「添加剤」、「DDS」あたりです。
病態・薬物治療
暗記科目です。
まずは、それぞれの疾患の特徴を覚えていく必要があります。
アレルギーと内分泌の分野では、生物の青本も見ながら勉強すると理解しやすいかなと思います。
特徴を覚えたら、それぞれの治療薬について覚えていきます。
この時に、薬理の青本なども一緒に見ながら作用機序も確認しておくと薬理の復習にもなっていいです。
他にも、気になることがあったら青本のそれぞれの分野に戻って見直す癖をつけていきましょう。
また、漢方薬の分野がありますがここは捨てでいいと思います。
後半には、医薬品情報について書かれています。
ここは得点源にしやすい部分ですが、人によってはパラメトリック検定とかの部分でつまずくと思います。
検定の部分は「どのようなときにどの検定を使うか」という問題がよく出ますので、まずは単純暗記でいいのでその部分を覚えてしまいましょう。
そして、余裕ができたらその仕組みについても理解しておくのがいいです。
法規・制度・倫理
ここも暗記科目です。
そして、得点源にしやすいのでしっかりと勉強しましょう。
重要なのは、「法律について」と「保険について」だと思います。
法律で特に出やすいのが「製造業や製造販売業についての法律」、「麻薬や覚せい剤などについての法律」です。
保険に関しては全体的に出やすく、細かいところまで出題されることがあるので注意が必要です。
実務
実務はあまり勉強しなくていい科目だと思います。
とはいっても、学校によっては実務に関してあまりやってこなかったところもあると思います。
ですので、最低限のOSCE対策しかしてこなかった人や、実務実習であまり学べなかった人は一通り勉強しておいたほうがいいです。
私が勉強したのは、「消毒薬の種類」、「投与期間に制限のある薬」、「注意すべき用法」、「代表的な薬の用法・用量」、「薬の相互作用」、「薬の配合変化」、「尿や便の色調変化」、「手術前に中止する薬」、「妊婦に禁忌の薬」、「特別の注意を要する医薬品(毒薬とか)」あたりだと思います。
そのほかの手技の範囲や、輸液の範囲はあまり勉強してません。
というのも、この範囲はOSCEの際に、しっかりと学校で習った部分でしたので、それなりに覚えていたからです。
ですので、ここは普段の模試の成績などを踏まえて、どれくらいやりこむかを各々で決めたほうがいいと思います。
まとめ
前回と二回に分けて、一通りの勉強法を載せました。
私のやり方はあくまで一例ですので、参考程度に見てもらえたらなと思います。
生薬は捨てるとか言いましたが、生薬が得意な人はもちろん勉強して大丈夫です。
無理に私のやり方にこだわらず、各々でカスタマイズしてみてください。
あと、何度か捨てる範囲などを書いてきましたが、基本的に私の書いたもの以上は捨てないほうがいいと思います。
もし、今回挙げた範囲以外で捨てたい範囲があるなら、私が捨てるといった分野のうち一つは拾ってください。
例えば、薬剤の計算を捨てる代わりに生薬は拾うみたいな感じです。
何でもかんでも捨ててはいけませんのでご注意ください。
さいごに
青本での勉強の際は、青本に直接メモするほうがいいと思います。
参考書を埋め尽くすぐらいメモする人もいますが、私は要点や語呂合わせ、メモなどを簡潔に書いておきたい人でしたので、そこまでたくさん書き込んでいません。
恥ずかしいですが、下に書き込みをしたページの写真を載せておきますので参考にしてください。
薬剤師国家試験は確かに覚えることは多いですが、その反面7割の人は合格できる試験です。
ですので、しっかりと勉強すれば必ず受かることができます。
そのためにも、できるだけ早く、そして計画的に勉強してください。
では、皆さんが薬剤師国家試験に合格することを心よりお祈りいたします。