薬剤師Tのあれこれブログ

薬剤師のつぶやきなどを載せています。

【薬剤師】薬局内で何をやってるの?【ピッキング編】

こんにちは。薬剤師Tです。

今回は、薬局内で薬剤師が何をしているのかを少しだけ解説したいと思います。

 

今回のテーマは「ピッキング」です。

 

 

 

はじめに

まず、「ピッキング」とは何か説明しましょう。

倉庫などのバイトをしたことがある人なら、ある程度分かるかもしれませんが、ピッキングとは、指示されたものを集める行為をさします。

薬剤師の場合、指示は医者から出されます。

いわゆる処方箋というのが、集める薬のリストになるわけです。

 

つまり、処方箋に従い薬を集める行為がピッキングとなります。

 

 

ピッキングの役目

ピッキングでの役目は簡単で、薬を集めるということです。

薬剤師が不要であると言う人は、このピッキングの行為を見てそう言うことが多いです。

もちろん、現在では技術の発展により、ピッキング業務に機械が関わってきています。

また、薬剤師だけでなく非薬剤師もこのピッキングの業務をできるようになりました。(気になる人は、「0402通知」で調べてみてください。)

 

こう見ると確かに、「いつかは機械にとってかわられる職業」と思われても仕方ないと思います。

単純なピッキング作業というのはいつか機械による自動化がなされるかもしれません。

しかし、ピッキング作業の全てを機械化することは不可能であると思います。

 

これは、コストの面でもそうですが、それ以上に「患者さんの細かい要望に応えられない」可能性が大きいからです。

たとえば、一包化の包装にも患者さんの要望が出てくる場合があります。

一包化の包装とは以下のようなものです。

f:id:t_pharm:20210419204059j:plain

(しおはま薬局さんの模擬の写真をお借りしました。)

 

ここには様々な情報が載せられています。

患者氏名、用法・容量、薬局名などです。

 

ここでよく出る要望は患者氏名を書いてほしくないというものです。

これは、「自分が病気であることを他人に知られたくない」という患者感情が働くからでしょう。

そのため、そのような要望が入った場合、機械の設定を変えて患者氏名を印字しないようにしています。

 

このほかにも、様々な要望が入ってきます。

それらの複数の要望を機械化で全てきちんと行えるかというとかなり厳しいのではないかと思います。

 

これは、薬剤師が手動で一つずつ設定を行っているからこそできることではないでしょうか?

 

 

ピッキングは調剤の基本

ピッキングは調剤の基本です。

比較的簡単にでき、特に新人薬剤師はピッキングが業務の中心となります。

しかし、ここで薬を間違えてしまうと、危険であるということは想像に難くないのではないでしょうか。

そのため、慎重にかつ患者さんを待たせないようスムーズに業務を行う必要があります。

 

また、処方の間違いに最初に気づけるのもピッキング業務です。

例えば、以下の処方が出ていたとしましょう。

 

ボナロン錠 35mg

 1日1回 1回1錠 起床時 4日分

 

どこが間違いかわかりますか?

薬学生のうち薬理を履修済みの人や薬剤師の人は知らないとマズいかもしれません。

薬学生へのヒントは、ボナロン錠の主成分はアレンドロン酸ナトリウム水和物です。

 

正しくはこうなります。

 

ボナロン錠 35mg

 週1回 1回1錠 起床時 4日分

 

つまり、この薬は4日連続で飲む薬ではなく、週に1回だけ1錠飲み、それを4週間続ける薬だということです。

このように、ボナロン錠35mgが週に1回飲む薬ということが分かっていれば、ピッキングの際に間違いに気づけるわけです。

そして、間違いに気づけるということは患者さんの健康被害を防ぐことにつながるのです。

 

このように、ピッキングは物を取ってくるだけの業務ではなく、処方箋に間違いはないか等の確認を最初に行う重要な業務だということです。

ピッキングは調剤の中でも基礎であり、比較的簡単な仕事だと思われがちですが、その裏には様々な知識が必要だということです。

 

 

まとめ

今回は、簡単にピッキングという薬剤師の業務について書きました。

ピッキングは、簡単ではあるが奥の深い仕事だということが少しでも伝われば幸いです。

 

 

さいごに

薬剤師の仕事は他にも様々あるので、また次回お話したいと思います。

あまり薬剤師がどんな仕事をしているかというのは知られていない部分だと思います。

また、最近ではアンサングシンデレラなど薬剤師をテーマにした漫画などもありますので、薬剤師の業務に興味がある方は是非読んでみてください。

 

それでは。