薬剤師Tのあれこれブログ

薬剤師のつぶやきなどを載せています。

【薬学生必見】薬剤師国家試験勉強法⑤

こんにちは。

最近忙しくなかなかブログの更新ができていない、薬剤師Tです。

 

 

 

はじめに

今回は、国家試験に向けてどの教材を使えばいいのかを解説したいと思います。

簡単にしか書けませんが、参考にしていただければ幸いです。

①~⑤までありますが、①が一番重要な教材で、⑤が一番重要度の低い教材です。

 

 

青本、その他の参考書

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これが堂々の第一位です。

これをやらずして、国家試験突破はなかなか厳しいのではないでしょうか。

国家試験では、全ての範囲がまんべんなく出題されるので、全体的に勉強する必要があります

そのため、一冊が分厚い青本は手が出しにくいかもしれませんが、諦めてやるしかないです。

 

もちろん青本に限らず、虹本やオレンジブックでもいいと思います。

学校の購買などに行けば売っていると思いますので、立ち読みでもして自分に合ったものを選びましょう。

おすすめの選び方は過去の記事で書きましたのでこちらをご覧ください。

 

 

②青問などの問題集

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第二位は青問などの問題集です。

基本的に、国家試験の過去問やオリジナル問題を分野ごとにまとめてくれてあるものが多いと思います。

青本と一緒に用いることが多いと思いますので、使用頻度としては青本と同じくらいになるのかなと思います。

 

いわゆる青問には、青本から取り外して使う青本に付属のものと、青本(領域別問題集)の二種類があると思います。(写真は後者のものです。)

基本的には前者のものだけで十分です。

たくさん問題を解きたい人や、時間に余裕がある人が後者のものを使えばいいのかなと思います。

特に後者は解くのに時間がかかりますので、遅い時期からやり始めるのはやめたほうがいいと思います。

 

 

③過去問

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第三位は過去問です。

薬剤師国家試験は、過去問からの類題が出ることがあるのでやっておくと役に立つことが多いです。

しかし、過去問を丸暗記では乗り切れないので注意が必要です。

 

また、青問などの問題集には過去問が抜粋されているので、青問だけでも十分な量の過去問演習ができます。

そのため、あえて過去問を年度ごとにまとめてやる必要はあまりないような気がします。

やるのであれば、本番を想定してしっかりとした時間配分でやるのがいいと思います。

 

ちなみに過去問は厚生労働省のサイトからダウンロードできます。

問題と解答はありますが、解説はありませんので、解説が欲しい場合は予備校が出している過去問集を買いましょう。

古い問題であれば解説がネットで無料で公開されているものもあります。

 

 

④薬ゼミなどの講義

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これも、あまり必要ないとは思います。

もちろん授業はわかりやすいので、自分一人ではなかなか理解が進まない人にはおすすめします。

しかし、講義ですので知識のインプットがほとんどになります。

一人で勉強するときに比べ、アウトプットの量が減ってしまいますので、しっかりとアウトプットをする時間を講義外にも作りましょう。

 

また、自分が分かっている範囲も解説されるので「そんなのわかってるよ」といった、いわゆる時間の無駄のような時もあります。

ですので、薬ゼミなどの講義を使いたい人は、早い時期から使い始めるか、直前期に確認程度で使うのがいいと思います。

中途半端な時期に使い始めるのはおすすめしません。

 

 

⑤大学などで使った教科書

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これを勉強する意味は、薬剤師国家試験という観点からみるとほとんどないです。

細かいところまですべて載っているので、原理を理解するなどには役に立ちますが、これをメインでやるのはコスパが悪すぎます。

 

ですので、しっかりとした薬剤師国家試験向けの参考書をまずはやり、そこで分からなかった部分を教科書で補うといいと思います。

しかし、全てのことについて原理まで調べていると時間がいくらあっても足りないので、丸暗記という手段も使うのがいいと思います。

 

 

まとめ

ここまで、参考書について解説しましたがいかがでしたでしょうか?

国家試験においては、多くの人がしている勉強法に合わせて勉強するのが一番いいと思います。

ですので、人が使っていないような参考書を使おうとするのではなく、ある程度人気のある青本オレンジブック、虹本あたりから選ぶのがおすすめです。

 

 

さいごに

私事ですが、最近仕事が忙しくなかなかブログに時間をかけれません。

そのため、見直しができず、誤字脱字などがあったら申し訳ないです。

 

このブログが、薬学生の皆さんの役に立てば幸いです。

では、また。

【薬剤師】薬局内で何をやってるの?【ピッキング編】

こんにちは。薬剤師Tです。

今回は、薬局内で薬剤師が何をしているのかを少しだけ解説したいと思います。

 

今回のテーマは「ピッキング」です。

 

 

 

はじめに

まず、「ピッキング」とは何か説明しましょう。

倉庫などのバイトをしたことがある人なら、ある程度分かるかもしれませんが、ピッキングとは、指示されたものを集める行為をさします。

薬剤師の場合、指示は医者から出されます。

いわゆる処方箋というのが、集める薬のリストになるわけです。

 

つまり、処方箋に従い薬を集める行為がピッキングとなります。

 

 

ピッキングの役目

ピッキングでの役目は簡単で、薬を集めるということです。

薬剤師が不要であると言う人は、このピッキングの行為を見てそう言うことが多いです。

もちろん、現在では技術の発展により、ピッキング業務に機械が関わってきています。

また、薬剤師だけでなく非薬剤師もこのピッキングの業務をできるようになりました。(気になる人は、「0402通知」で調べてみてください。)

 

こう見ると確かに、「いつかは機械にとってかわられる職業」と思われても仕方ないと思います。

単純なピッキング作業というのはいつか機械による自動化がなされるかもしれません。

しかし、ピッキング作業の全てを機械化することは不可能であると思います。

 

これは、コストの面でもそうですが、それ以上に「患者さんの細かい要望に応えられない」可能性が大きいからです。

たとえば、一包化の包装にも患者さんの要望が出てくる場合があります。

一包化の包装とは以下のようなものです。

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(しおはま薬局さんの模擬の写真をお借りしました。)

 

ここには様々な情報が載せられています。

患者氏名、用法・容量、薬局名などです。

 

ここでよく出る要望は患者氏名を書いてほしくないというものです。

これは、「自分が病気であることを他人に知られたくない」という患者感情が働くからでしょう。

そのため、そのような要望が入った場合、機械の設定を変えて患者氏名を印字しないようにしています。

 

このほかにも、様々な要望が入ってきます。

それらの複数の要望を機械化で全てきちんと行えるかというとかなり厳しいのではないかと思います。

 

これは、薬剤師が手動で一つずつ設定を行っているからこそできることではないでしょうか?

 

 

ピッキングは調剤の基本

ピッキングは調剤の基本です。

比較的簡単にでき、特に新人薬剤師はピッキングが業務の中心となります。

しかし、ここで薬を間違えてしまうと、危険であるということは想像に難くないのではないでしょうか。

そのため、慎重にかつ患者さんを待たせないようスムーズに業務を行う必要があります。

 

また、処方の間違いに最初に気づけるのもピッキング業務です。

例えば、以下の処方が出ていたとしましょう。

 

ボナロン錠 35mg

 1日1回 1回1錠 起床時 4日分

 

どこが間違いかわかりますか?

薬学生のうち薬理を履修済みの人や薬剤師の人は知らないとマズいかもしれません。

薬学生へのヒントは、ボナロン錠の主成分はアレンドロン酸ナトリウム水和物です。

 

正しくはこうなります。

 

ボナロン錠 35mg

 週1回 1回1錠 起床時 4日分

 

つまり、この薬は4日連続で飲む薬ではなく、週に1回だけ1錠飲み、それを4週間続ける薬だということです。

このように、ボナロン錠35mgが週に1回飲む薬ということが分かっていれば、ピッキングの際に間違いに気づけるわけです。

そして、間違いに気づけるということは患者さんの健康被害を防ぐことにつながるのです。

 

このように、ピッキングは物を取ってくるだけの業務ではなく、処方箋に間違いはないか等の確認を最初に行う重要な業務だということです。

ピッキングは調剤の中でも基礎であり、比較的簡単な仕事だと思われがちですが、その裏には様々な知識が必要だということです。

 

 

まとめ

今回は、簡単にピッキングという薬剤師の業務について書きました。

ピッキングは、簡単ではあるが奥の深い仕事だということが少しでも伝われば幸いです。

 

 

さいごに

薬剤師の仕事は他にも様々あるので、また次回お話したいと思います。

あまり薬剤師がどんな仕事をしているかというのは知られていない部分だと思います。

また、最近ではアンサングシンデレラなど薬剤師をテーマにした漫画などもありますので、薬剤師の業務に興味がある方は是非読んでみてください。

 

それでは。

【薬剤師】コロナについて考えてみる

こんにちは。薬剤師Tです。

今回は少し箸休め的な話題を書きたいと思います。

 

 

 

はじめに

コロナが流行り始め、1年くらいが経ちました。

コロナによって生活が変わってしまった人も少なからずいるのではないでしょうか?

今回は、そんなコロナについて少し考えてみたいと思います。

 

 

どう防ぐ?

コロナを防ぐには、やはり手洗いもしくはアルコール消毒やうがい、マスクの着用などが重要になってきます。

基本的な内容ですが、やはり忘れがちになってしまっている人もいるのではないでしょうか?

昨今では、ニュースで路上飲酒が取りだたされ、マスクの着用が疎かになっている印象を少なからず受けてしまいます。

 

では、なぜマスクをつける必要があるのか、皆さんは具体的に説明できるでしょうか?

マスクの主な役目は、自分の咳などで出た飛沫を、相手に届かないようにすることです。

そのため、「自分はコロナになっても大丈夫だから、マスクはつけない」といった言い訳はできないんですね。

マスクは他人のために着けるものです。

 

もちろん、コロナに関してはマスクをすることで、ある程度の感染は防げると思います。

これは、コロナが飛沫感染であるからです。

飛沫感染とは、簡単に言うと「唾などの水分を含んだ飛沫を介して起こる感染」のことです。

つまり、唾の飛沫を吸い込まなければ感染する可能性は少なくできます。

 

しかし、世の中にはマスクをしていても防げない感染症もあります。

それは、空気感染という様式を取るもので、麻しんや結核、水痘などがあげられます。

これらは、唾などの水分がない状態でも感染力があります。

そのため、水分がない分、粒子の大きさも小さくなりマスクをしていても防ぎにくいのです。

 

大衛株式会社さんのページに分かりやすい画像があったので、貼っておきます。

 

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詳しく見たい方は、こちらのページも参考にしてみてください。

 

amethyst.co.jp

 

 

経済との兼ね合い

簡単な話、コロナの感染を止めるには、国民を家から出さなければいいのです。

しかし、そんなことはできません。

 

日々を生きるために仕事をしなければならない人が大半ですし、経済を回さなければ売り上げはでません。

そのため、容易に外出を規制はできないと想像がつきます。

政府が外出規制をなかなか出せず、いわゆる「外出自粛のお願い」で済ませているのは経済的な観点から考えると仕方ないことだとは思います。

 

それでは、国民はどうすればいいのかというと、感染対策をしっかりすることが重要です。

感染対策をし、感染者を最低限にとどめ、その状態で経済を回していくほかありません。

 

そういう点では、感染防止意識の欠如がうかがえる路上飲酒などは行わないほうがいいでしょう。

感染者が増えれば、それだけ外出自粛は伸びるわけですし、さらに強力なロックダウンなどの措置が取られる可能性もあります。

もちろん、感染者数が増えなくとも、感染防止意識の欠如がうかがえる行為が増えるだけでも、政府や自治体が外出規制を強化する可能性はあり得ると思います。

そうなると、経済への影響も大きくなってしまうわけです。

 

 

まとめ

感染を防ぐには、国民一人一人の意識が重要だと思います。

もちろん政府の対応なども重要ですが、国民がしっかりとした感染対策をしなければ、どのような政策も何の意味もないと思います。

 

特に、感染対策への意識が疎かになり、感染者数が増え、ロックダウンなどが実施されれば、苦しむのは国民の私たちです。

つまり、感染対策を意識できていない人は「自分の首を自分で絞めている状態」だと思います。

 

そのようなことを少し考えながら生活すると、感染対策にもなりいいんじゃないかと思います。

 

 

さいごに

コロナ禍で憂鬱な日々を過ごしている方もいると思います。

なかなか、ハッピーな話題というのはニュースでは入ってきにくい時世になっています。

もし、ふさぎ込んでしまっている方がいるのなら、家でできる趣味を見つけましょう。

ゲームでも映画鑑賞でも何でもいいです。

 

そして、ある意味で自宅にこもれる期間でもありますので、資格勉強などの自己研鑽に努めるのも素晴らしいことだと思います。

 

なにより、一人一人がしっかりとした感染防止意識を持ち、一日でも早くコロナが終息することを願います。

 

 

【薬学生必見】薬剤師国家試験勉強法④

こんにちは。

薬剤師Tです。

 

今回は、前回の続きで薬剤、病態・薬物治療、法規・制度・倫理、実務についてそれぞれの勉強法を解説していきたいと思います。

 

 

はじめに

前回もお話ししましたが、まずは、実務以外の青本を1周終わらせるのを目標に勉強してください。

1周ですべてを完璧にする必要はないので、周回することを前提にテンポよく進めていきましょう。

 

青本の使い方は、各々異なると思いますが青本すべてを覚えることなんて不可能です。

赤字をすべて覚えるのも結構きついと思います。

ですので、重要なところはしっかりと、捨てるところはあまり勉強しないようにしましょう。

 

勉強は、青本を読んで知識をインプットし、青問を解いて知識をアウトプットする流れになります。

青問で正答率の高い問題は重要なポイントですので、しっかりと理解するようにしましょう。

 

では、今回解説する科目について軽く触れていきます。

 

薬剤は、暗記と計算に大別されます。暗記は薬物動態と製剤学の分野が中心に、計算はやや複雑で慣れが必要です。

病態・薬物治療は、とにかく暗記。聞き慣れない単語とかもたくさん出てくるので、個人的には苦手な分野でした。

法規・制度・倫理は、これもとにかく暗記です。しかし、病態・薬物治療に比べてイメージがわきやすいですので比較的覚えやすく得点源になりやすいです。

実務は、実務実習の記憶と、他の科目ができていれば割と解けるので本腰を入れてやる必要はないと思います。私もこの本は半分も読んでいないと思います。

 

では、科目ごとに詳しく見ていきましょう。

 

 

薬剤

薬剤は理論問題で計算が出ます。

ここで結構時間を食ってしまうことが多いです。

ですので、ある程度すらすら解けるようにしておき、分からないと感じたら諦める判断をできるようにしましょう。

 

薬剤の内容を大きく分類すると

①薬物動態について

②計算

③製剤について

に分類できると思います。

 

一つずつ解説していきます。

 

 

①薬物動態について

ここは、暗記科目です。

個人的には薬剤の中ではここが一番苦手でした。

 

大切なのは「ADME」と「薬物同士の相互作用」です。

ADMEのそれぞれの段階で、どのような相互作用が起こるかをしっかりと覚えましょう。

例えば、テトラサイクリン系抗生物質と牛乳の相互作用は、キレートの形成による吸収過程の阻害といった感じです。

 

その他にも薬物相互作用はよく出題される範囲ですので、一つでも多くの相互作用を覚えておきましょう。

特にCYPが関わってくるところは重要です。

 

あと、TDMについて聞かれることもありますが、ここは少し優先度は低めかなと思います。

しかし、有名どころは押さえておく必要があります。

例えば、ジゴキシンの採血は7日目以降の定常状態で行うことや、バンコマイシンとテイコプラニンの違いなどです。

具体的な血中濃度が聞かれやすいのは、炭酸リチウムですかね。

あとは全血試薬を用いる、タクロリムスとシクロスポリンでしょうか。

 

 

②計算

ここは、青問の問題を完璧にできるようにしておけば十分だと思います。

特に解説することはありませんが、公式などを覚えて使いこなせるようにたくさん問題を解きなおしましょう。

 

 

③製剤について

ここも暗記です。

薬物動態と比べると、具体的なイメージがわきやすいので勉強しやすい範囲だと思います。

基本的に全範囲重要ですので、あまり捨てれる部分はありません。

点耳液、点鼻液、膣剤、生薬関連製剤はあまり出ないので、捨てるならこの範囲かなと。

 

特に重要なのは、「錠剤の作り方」、「滅菌法」、「添加剤」、「DDS」あたりです。

 

 

病態・薬物治療

暗記科目です。

まずは、それぞれの疾患の特徴を覚えていく必要があります。

アレルギーと内分泌の分野では、生物の青本も見ながら勉強すると理解しやすいかなと思います。

 

特徴を覚えたら、それぞれの治療薬について覚えていきます。

この時に、薬理の青本なども一緒に見ながら作用機序も確認しておくと薬理の復習にもなっていいです。

他にも、気になることがあったら青本のそれぞれの分野に戻って見直す癖をつけていきましょう。

 

また、漢方薬の分野がありますがここは捨てでいいと思います。

 

後半には、医薬品情報について書かれています。

ここは得点源にしやすい部分ですが、人によってはパラメトリック検定とかの部分でつまずくと思います。

検定の部分は「どのようなときにどの検定を使うか」という問題がよく出ますので、まずは単純暗記でいいのでその部分を覚えてしまいましょう。

そして、余裕ができたらその仕組みについても理解しておくのがいいです。

 

 

法規・制度・倫理

ここも暗記科目です。

そして、得点源にしやすいのでしっかりと勉強しましょう。

 

重要なのは、「法律について」と「保険について」だと思います。

法律で特に出やすいのが「製造業や製造販売業についての法律」、「麻薬や覚せい剤などについての法律」です。

保険に関しては全体的に出やすく、細かいところまで出題されることがあるので注意が必要です。

 

 

実務

実務はあまり勉強しなくていい科目だと思います。

とはいっても、学校によっては実務に関してあまりやってこなかったところもあると思います。

ですので、最低限のOSCE対策しかしてこなかった人や、実務実習であまり学べなかった人は一通り勉強しておいたほうがいいです。

 

私が勉強したのは、「消毒薬の種類」、「投与期間に制限のある薬」、「注意すべき用法」、「代表的な薬の用法・用量」、「薬の相互作用」、「薬の配合変化」、「尿や便の色調変化」、「手術前に中止する薬」、「妊婦に禁忌の薬」、「特別の注意を要する医薬品(毒薬とか)」あたりだと思います。

 

そのほかの手技の範囲や、輸液の範囲はあまり勉強してません。

というのも、この範囲はOSCEの際に、しっかりと学校で習った部分でしたので、それなりに覚えていたからです。

 

ですので、ここは普段の模試の成績などを踏まえて、どれくらいやりこむかを各々で決めたほうがいいと思います。

 

 

まとめ

前回と二回に分けて、一通りの勉強法を載せました。

私のやり方はあくまで一例ですので、参考程度に見てもらえたらなと思います。

生薬は捨てるとか言いましたが、生薬が得意な人はもちろん勉強して大丈夫です。

無理に私のやり方にこだわらず、各々でカスタマイズしてみてください。

 

あと、何度か捨てる範囲などを書いてきましたが、基本的に私の書いたもの以上は捨てないほうがいいと思います。

もし、今回挙げた範囲以外で捨てたい範囲があるなら、私が捨てるといった分野のうち一つは拾ってください。

例えば、薬剤の計算を捨てる代わりに生薬は拾うみたいな感じです。

何でもかんでも捨ててはいけませんのでご注意ください。

 

 

さいごに

青本での勉強の際は、青本に直接メモするほうがいいと思います。

参考書を埋め尽くすぐらいメモする人もいますが、私は要点や語呂合わせ、メモなどを簡潔に書いておきたい人でしたので、そこまでたくさん書き込んでいません。

恥ずかしいですが、下に書き込みをしたページの写真を載せておきますので参考にしてください。

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薬剤師国家試験は確かに覚えることは多いですが、その反面7割の人は合格できる試験です。

ですので、しっかりと勉強すれば必ず受かることができます。

そのためにも、できるだけ早く、そして計画的に勉強してください。

 

では、皆さんが薬剤師国家試験に合格することを心よりお祈りいたします。

【薬学生必見】薬剤師免許の申請方法

こんにちは。薬剤師Tです。

今回は、薬剤師免許の申請方法を解説したいと思います。

 

なお、これは令和3年時点のものであり、今後変わるかもしれません。

ですので、細かい部分はしっかりと大学や厚生労働省の案内を確認しましょう。

 

 

 

はじめに

簡単に手順を書きます。

基本的には、必要な書類をそろえ、それを都道府県庁(保健所)に提出する流れになります

当たり前ですが、全ての書類は親などに頼らず、自分で用意するようにしましょう。

 

書類は自分で厚生労働省のページでダウンロードするか、大学によっては配布してくれるところもあります。

くれぐれもこのブログの画像を印刷して用いないように

 

必要なもの

①合格証書

薬剤師国家試験に合格すると、あらかじめ申請した住所に送られてきます。

基本的には自宅と申請しますので、自宅に届くことになります。

合格発表の日から2週間以内にはほとんどの人に届きます。

こんな感じのはがきです。

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これは、本当に合格しているかや、記載にミスがないかを確認するために用いるものですので、回収はされません。

しかし、忘れると都道府県庁(保健所)で受け付けてもらえないので注意が必要です。

 

 

②診断書

これは、医師に診断してもらい、業務に支障がないかを調べてもらいます。

事前に近くの病院やクリニックに電話をし、診断書が書けるかどうかを聞いておくといいです。

値段は、地域によってまちまちだと思いますが5000円くらいかかると思います。

10000円くらいは持っていくのをお勧めします。

 

なお、発行して1か月以内の診断書を送る必要がありますので、早く受けすぎると受け付けてもらえませんので注意してください。

内容はこんな感じです。

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③戸籍抄(謄)本又は住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書

注意点としては住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書で提出する場合は、本籍地都道府県の記載があるものである必要があります。

また、個人番号が記載されていないものである必要があります。

 

私は住民票の写しを提出しました。

マイナンバーカードを作っている場合、コンビニなどでも発行できるらしいです。

私は窓口で発行してもらいましたので、コンビニでの方法は以下を参考にしてください。

 

www.lg-waps.go.jp

コンビニなどで作る場合は以下のような画面が出てきます。

この場合、

「世帯主・続柄」のチェックはどちらでもよい

「本籍地・筆頭者の記載」は「」にチェック

「個人番号の記載」は「」にチェック

とすればよいと思います。

記載事項選択

 

 

④登録済証明書用はがき

これは免許が実際に届くまでに、暫定的に使える免許書のようなものです。

働く職場によって必要かどうかが変わってきます

基本的には、雇い主側から教えてくれますが、不明な場合は聞きましょう。

切手は貼ってないので、自分で貼ってから提出しましょう。

 

こんな感じのはがきです。

(裏面)

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(表面)

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普通の官製はがきを使うこともでき、その場合は表面に受け取り先住所・氏名を記載し、裏面は白紙のまま提出します。

 

 

⑤薬剤師免許申請書

これが申請書の本体です。

注意すべき点は、収入印紙30000円分が必要で、消印は押さないようにすること。

合格証書番号を書くこと。(受験番号ではないので注意。)

 

収入印紙郵便局で買うことができますので買っておきましょう。

コンビニでも買えますが、高額な収入印紙は置いていないところが多いので注意してください。

以下が見本です。

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まとめ

これらの書類を作成したら、申請書、診断書、戸籍抄(謄)本又は住民票の写し若しくは住民票記載事項証明書を順番にして、左上をホチキスでとめましょう。

その後、申請書類の最後に登録済証明書用はがきをクリップで止めてください。

そして、合格証書も忘れずに持っていきましょう。

これらの4つまたは5つの書類を都道府県庁(保健所)の窓口にもっていくと免許申請を受け付けてもらえます。

 

 

さいごに

基本的な流れはこのような感じになります。

年度によってはこれとは異なる申請書類が必要になってくるかもしれませんので、必ず最新の情報を確認しましょう

 

薬剤師国家試験終了後は、卒業に関する行事や、働くための準備、そして免許申請と様々なことをしなければならなく忙しくなりがちです。

そのため、あせらず記入漏れや書類漏れがないかを確認しましょう。

 

それでは。

【大学受験生向け】薬学部での生活

こんにちは。

薬剤師Tです。

今回は、私が薬学部でどのような生活を送っていたのかを書いていきたいと思います。

よろしくお願いします。

 

 

 

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はじめに

細かい部分は大学によって異なってくるとは思いますが、基本的には同じ部分が多いと思います。

ですので、薬学部に入ろうとしている方はどのような学生生活が待っているのかを想像しながら見てください。

 

 

普段の勉強について

まずは、勉強の話からしていきましょう。

簡潔にまとめるなら、「薬学部は勉強三昧」です。

 

とは言っても、四六時中勉強しているわけではありません。

おそらく、毎日授業の予習復習をしている人は少数派です。

私の周りでは、基本的に定期テストの1か月前くらいから勉強を始める人が多かったです。

 

では、なぜ勉強三昧という言い方をするのかというと、それは時間割に自由がなく、毎日朝~夕方ぐらいまでは講義があるからです。

大学生活でよく思い浮かぶのは、自分で取る講義を決めて、時間割をある程度調整しバイトや遊びに時間を割くという、自由さだと思います。

 

しかし、薬学部にそれはありません。開講されている講義のほとんどを取らなければいけないです。

そのため、半日休暇などは生まれにくく、バイトや遊びは夕方まで講義を受けた後にするか、休日を使うしかないです。

こういう点もあり、授業以外の時間を勉強に使いたいと思う人はあまりいないです。

 

 

薬学部の講義について

薬学部の講義は学年を上がるにつれて、どんどん医療というものに深く絡んできます

逆に、入学してすぐのころは化学や生物、物理などの勉強をします。

そのため、薬の勉強しないじゃんと最初のころは感じると思います。

 

さらに、講義では薬剤師国家試験に出題されるレベルよりも遥かに高い内容や、国家試験の範囲外の内容を教授は講義してきます。(もちろん範囲内のこともやりますが…)

これは、大学という場で勉強しているので、当たり前ではあります。

薬学部は薬剤師国家試験のための予備校ではないということです。

 

しかし、すぐに薬について勉強できると思っていた私はかなりモチベが下がってしまいました。

ですが、レベルの高い問題を一度でも解いておくことは、後の薬剤師国家試験の勉強で確実に役に立ちます。

もしかすると、私と同じようにモチベが下がってしまう人が出てくるかもしれませんので一応言っておきますが「あなたの勉強していることは無駄にはなりません」。

 

 

では、薬について学ぶのはいつからでしょうか。

薬の作用について学び始めるのは大体2年生の後期ぐらいからだと思います。

いわゆる薬理という科目です。

そして、薬学生はこの薬理という科目に苦しめられます

 

薬理は薬の作用について理解する科目ですが、具体的にどのようなことを学ぶと思いますか?

ほとんどの人が、「ロキソニンは痛み止め」みたいなことを学習すると思っているのではないでしょうか。

これは、確かに間違いではありません。

 

しかし、正確には、「ロキソプロフェンはプロスタグランジン生合成の律速酵素であるシクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害し、プロスタグランジンの産生を抑制することにより、抗炎症作用、解熱作用、鎮痛作用を現す。」ということを学びます。

他にも「ロキソプロフェンはプロドラッグであり、胃腸障害が少ない。」ということも学びます。

ロキソニンは商品名で、ロキソプロフェンは成分名です。薬学部は商品名ではなく、成分名で薬を覚えます。)

 

おそらく何言っているのかわからないと思いますが、このような細かいことを覚えなければならないということは知っておいたほうがいいと思います。

 

単純に薬の種類分けを勉強するのが薬理ではなく、薬が体内でどのように働いているのかを細かく学び、時にそれが体にどのような悪影響を与えるのかを学ぶのが薬理という科目です。

 

そして、それゆえ暗記量は膨大なものとなります。

これが、薬学生が薬理に苦しむ理由です。

 

 

また、薬以外にも学ぶことはたくさんあります。

例えば、人体の構造などは知っておく必要がありますし、病気についても知っておかなければなりません。

この辺りなら、学ぶ理由は想像は付きやすいですよね。

 

その他にも、水環境(排水、水道の塩素消毒とか)、大気環境(大気汚染とか)も学ぶ必要があります。

なぜだかわかりますか?

 

例えば、水の浄化にも薬品を使うわけです。

この薬品を適正に取り扱うには、どの職業に相談をするべきでしょうか?

もちろん薬剤師ですよね。

 

このように薬剤師が関わるべき分野というのは想像以上に広範なのです。

 

また、法律についても勉強します。

薬剤師というのは薬剤師免許という許しをもらって仕事をするわけです。

ですので、その許しから逸脱した行為をしてしまうとダメなわけです。

そのため、法律を理解し、してはいけないことをしないように努めなければなりません。

 

 

長くなってしまいましたが、薬学部では薬のこと以外にも様々なことを学ばなければいけないことをわかっていただけたでしょうか?

そして、薬についても想像以上に様々なことを学ばなければいけないということが分かったと思います。

 

しかし、これらのことを苦労して学ぶ価値はかなり高いと思います。

何より、薬というものについてここまで詳しく学べるのは薬学部の魅力だと思います。

 

 

薬学部の定期テストについて

定期テスト1年に2回(夏と冬)行われるのが普通です。

基本的に合格点は60点であることが多いと思います。

 

高校までは、いわゆる赤点はもっと低い点数だったと思いますし、赤点を下回ったことが原因で留年する人はほとんどいないと思います。

しかし、大学では60点を下回った瞬間、「不合格」という無慈悲な通知が来ます。

そして、この不合格が複数あったりすると、その瞬間留年が決定し、もう一年同じ学年をやり直しになります。

 

大学によっては、定期テストで60点未満をとっても救済措置を施してくれる場合があります。

基本的には再試験という制度で、もう一度テストを受け、そのテストで60点を取れれば合格にするというものです。

場合によっては、レポートの提出などで許してくれる先生もいます。

 

また、再試験に落ちた場合でも進級して翌年度にもう一度試験を受けれる場合があります。(これを再履修と言います。)

しかし、再履修の場合、「進級した学年の勉強+再履修の勉強」をする必要があります。

単純に他の人よりも勉強しなければならない科目数が増えるわけですので、この制度を使うのは得策とは言えません。

 

また、薬学部の定期テスト過去問が重要になってきますので、友達は作っておいて過去問集めはできるようにしておきましょう。

特に、過去問から問題をほとんど変えない先生もいるので、情報収集はしっかりしましょう。

 

 

勉強以外にしたこと

これが、一番聞きたいことなんじゃないかなと思います。

講義は忙しいですが、趣味の時間は十分とれます

 

私はいろいろなことに手を出してみました。

手品を始めたり、作曲を本格的にしてみたりしました。

サークル活動も、手品のサークルに入り、実際にショッピングセンターのイベントブースを借りてお客さんに実演もしました。

 

お酒なども飲んでみたりしました。

そのせいで、今も酒をよく飲むようになってしまいました。

タバコは吸ってなかったのですが、後輩には吸っている人がいました。

また、麻雀を友達としてみたりなど、いわゆる大学生のような生活はある程度しました。

 

また、アルバイトも可能です。

私の友人にはいわゆるバイト戦士のような人も数人いました。

ほぼ毎日のようにバイトしているけど、私よりも成績のいい人もいたので、そこは各々のがんばり次第かなと思います。

 

しかし、実験の実習が始まると、なかなかバイトは入れにくくなります。

実験は終わる時間が日によって変わることが多いです。

そのため、バイトのシフトは組みにくくなります。

 

その他にも、資格を取得している人もいました

多いのはTOEICだと思います。

将来、薬局の開業とかをしたい人は簿記の資格とかもありなのかなと思います。

 

 

 

研究室配属について

研究室への配属は、大体4年生の終わり頃になるのではないでしょうか。

薬学部を卒業するには、卒業論文を書いて薬学学士の課程を収める必要があります。

その卒業論文のための研究をするのがこの研究室です。

 

そして、5,6年生のほとんどをこの研究室で過ごすことになるので、研究室選びは重要になってきます。

 

簡単にですが研究室選びの基準を書いておきます。

 

①ホワイトな研究室であるかどうか

研究室によっては土日を献上してまで研究をしなければならないところや、研究室に泊まり込みをして数日間家に帰らず研究をするようなところもあります。

もちろん研究が好きでそのような環境でもやっていけるという人はそれでもいいのですが、私は精神衛生上、そのようなブラックな研究室はお勧めできません。

そのため、同級生や先輩からどこがホワイトな研究室かをリサーチしておくといいと思います。

 

②友達が多い研究室であるかどうか

友達と一緒の研究室に入るのは、王道ではないでしょうか。

友達と仲良く研究できれば多少ブラックな研究室でも我慢しやすいと思います。

デメリットとしては人脈が増えないことでしょうか。

研究室で初めて出会う人が減ってしまうのは少しもったいないことだと思います。

 

③自分の興味のある分野の研究をしている研究室であるかどうか

研究にすべてをささげる気がある人はこの選び方をお勧めします。

特に、大学院に進学する人や将来研究職に進みたい人にはお勧めです。

しかし、基本的には①や②で研究室を決めるのがいいと思います。

こう言うと少し不真面目なように聞こえるかもしれませんが、私は大真面目に言っています。

なぜなら、ブラックな環境に耐えきれず体調を崩したり、病んでしまう人は一定数いるからです。

特に研究室で病んでしまうと、その後の卒業研究、卒業試験、薬剤師国家試験などが全てうまくいかなくなってしまう可能性があります。

 

では、ブラックな研究室に配属されたらどうすればいいのか。

これは、1年ちょっとの付き合いだと考えて諦めるしかないと思います。

コツは、その研究室内の人と仲良くなって苦労を共に語り合うことです。

中には研究室の先生にうつ病の診断書を突きつけ、研究室を変えた人もいるらしいですが、なかなかそこまでできる人はいないと思います。

そして、万が一病んでしまったら、しっかりとそのことは指導教員や信頼できる人に相談しましょう。

 

 

さいごに

まだ、書けることはいろいろあると思いますが、今回はこの辺りで終わりにしたいと思います。

少しネガティブなことを書きすぎた気もしますが、できるだけリアルに書くことを意識しました。

 

何か、聞きたい話題等ありましたらコメント欄へ書いていただければ、お応えできるかもしれません。

それでは、また次回にお会いしましょう。

【薬学生必見】薬剤師国家試験勉強法③

こんにちは。薬剤師Tです。

 

前回予告した通り、各科目の勉強法をお教えします。

今回は、物理・化学・生物・衛生・薬理についてお話します。

青本ベースでの解説ですが、他の参考書の人も参考にしてみてください。

 

 

 

はじめに

簡単に要点をまず書きます。

 

まず勉強の順番ですが、私は青本の1番から順にやっていきました。

物理→化学→生物→衛生→薬理→薬剤→病態・薬物治療→法規・制度・倫理→実務

この順番ですね。

ただ、薬理は基本的に他の科目と同時並行でやってました。

(これは1周目の時の順番です。2周目以降はバラバラの順で勉強しました。)

 

まずは、実務以外の青本を1周終わらせるのを目標に勉強してください。

8月ごろから初めて、10月ごろまでに1周目が終わっていたら好ペースだと思います。

12月に入っても1周目が終わってない人は焦って死ぬ気で勉強しましょう。

(受かる人は12月には2周、科目によっては3~4周くらいできています。)

 

勉強の順に指定はないのですが、理解に時間のかかる物理・化学・生物は早めから始めましょう

いわゆる暗記科目のうち、衛生や薬剤の製剤分野、法規・制度・倫理は直前期(1~2か月)の詰め込みで点数を上げることができます。

薬理、病態・薬物治療も詰め込みで点数は上がるのですが、覚える量が膨大ですので日ごろから何度も問題演習を繰り返す必要があると思います。

実務に関しては私はそこまで勉強していません。これはまた後日お話しするのですが、実務は他の科目ができていれば解けることが多いです。

 

 では、今回解説する科目について軽く触れていきます。

 

物理・化学・生物は広く浅く、勉強はできるだけ早く始めましょう。

衛生は、得意科目にしやすい科目です。基本暗記になるので、物理・化学・生物より勉強のスタートは遅くていいと思います。

薬理は、薬学生として落とせない科目です。つまり、薬理は点稼ぎ科目です。そして、薬理をある程度理解すると模試の点数は格段に伸びます。

 

では、科目ごとに詳しく見ていきましょう。

 

 

物理

物理です。私は、物理・化学・生物の中で一番得意でした。

物理の目標は、必須問題を落とさないようにすることです。

 

物理の内容を大きく分類すると

①物質の構造について

②エネルギーについて

③反応速度について

④分析法について

に分類できると思います。

 

一つずつ解説していきます。

 

 

①物質の構造について

この範囲は、暗記が中心になります。そのため、比較的簡単であり内容はしっかりと理解する必要があると思います。

計算は少ないですが吸光度の計算が出やすいですので、しっかりと計算できるようにしておきましょう。

 

苦手な分野になりやすいのは、放射線の部分かと思います。

どの放出核種からどの放射線が出るかや、放射壊変についてが難しい部分です。

 

まずは、理解から始めるのが良いです。

β-線とはどのようなものか、α壊変とはどのようなものか等を説明できるようにしましょう。

具体的な、「3Hはβ-線を放出する。」などは後から覚えてしまいましょう。語呂合わせなどを用いて覚えるのがいいと思います。

 

 

②エネルギーについて

ここは、計算が多く理解しなければならないことが多い部分です。

逆に言えば、一度理解さえしてしまえば勝ったも同然です。

この分野はよく出題されますので、しっかり勉強しましょう。

 

出やすい部分ですが、全体的に出やすいです。

活量についてはやや出にくいかなという印象はあります。

 

大切な分野ですので、物理が苦手な人でも、ここは頑張って勉強してほしい分野です。

 

 

③反応速度について

ここも計算が多く出題されます。

そして、この分野もよく出題されますので、しっかり勉強しましょう。

 

0~2次反応の速度式を実際に積分し、時間と濃度の関係式や半減期自分で導出できるようにしておくことが大切だと思います。

暗記してしまうのはあまりお勧めできません。

 

 

④分析法について

まず、定性分析と定量分析については、私は半分くらい捨てていました

ここを暗記するのはかなりコスパが悪いように感じます。

 

まず、無機イオン定性分析はすべて捨てました。

有機酸塩の定性分析はジアゾカップリングくらいでしょうか。

医薬品の定性分析では、アミノ基の定性、ニンヒドリン試液を用いるもの、銀鏡反応、フェーリング反応あたりを覚えました。

 

定量分析は、基本的な原理は一通り理解しました。

標準薬や指示薬はほとんど覚えていなかったです。

青本にもいろいろな医薬品の反応モル比などが載っていますが、覚えなくていいと思います。余裕がある人は覚えましょう。

 

機器を用いる分析法は覚えておきましょう

それぞれの分析法がどのような原理で分析をしているのかは、しっかりと理解しておく必要があります。

「蛍光光度法の光源には何を使う?」のような問題は王道の問題ですので、答えられるように。

また、スペクトルの解析もよく出る問題です。IRスペクトル、プロトンNMRスペクトル、マススペクトルあたりは、見てわかるようにしておきましょう。

 

その他にも、クロマトグラフィーや電気泳動、画像診断などは出やすい分野ですのでしっかりと勉強しましょう。

 

 

化学

化学です。私は、物理・化学・生物の中で二番目に得意でした。

化学の目標は、必須問題を落とさないようにすることです。

 

 

化学の内容を大きく分類すると

①化学の基本事項について

②化学反応について

無機化学について

④医薬品のパーツについて

⑤生薬について

に分類できると思います。

 

一つずつ解説していきます。

 

①化学の基本事項について

ここは必ず理解しておきたいところです。

必須問題でも、命名法や立体配置、酸塩基の強弱、共鳴構造はよく出てくるところです。

 

化学が苦手な人もここはしっかりと押さえておく必要があります。

ここが理解できないと、この先の化学反応もできなくなってしまいます。

 

 

②化学反応について

化学が苦手な人はギブアップしてしまう分野です。

基本的には全範囲満遍なくやる必要があります

アルコール・フェノール・エーテルの反応、アミンの反応はやや出にくい部分かなと思います。

 

まずは、SN1、SN2反応、E1、E2反応をしっかりと理解してから先に進むといいと思います。おそらくここが一番理解しやすいところです。

基本的に全部やる必要があるのですが、特に重要な部分は「アルケンのanti付加、syn付加」、「マルコフニコフ則」、「置換基による配向性」、「カルボン酸誘導体の反応性」あたりだと思います。(全然書き足りないですが…)

 

 

無機化学について

この範囲はすべて捨てました

まったく勉強していないです。

 

しかし、他の分野でも出てきますので、錯体については知っておきましょう。

ビタミンB12やEDTAは衛生で錯体やキレート試薬として登場します。

物理でもEDTAは出てきました。

 

その他にも金属含有医薬品はしばしば試験に出ます。

Al含有のスクラルファートが透析患者に禁忌などは有名な話かと思います。

このあたりは、薬理で学ぶことができますね。

 

 

④医薬品のパーツについて

ここで重要なのは「共有結合を介する医薬品」と「プロドラッグの仕組み」、「医薬品の骨格」です。

この3つを押さえておけば大丈夫だと思います。

 

共有結合を介する医薬品は、アスピリンペニシリン、フルオロウラシル、オメプラゾール、シクロホスファミド、マイトマイシンCあたりですかね。

 

プロドラッグの仕組みについては、「なぜプロドラッグにしているのか?」や「どのような製剤の工夫をしたものなのか?」を理解しましょう。

 

医薬品の骨格は、「ベンゾジアゼピン系の薬はどれ?」等と聞かれて答えられるようにしておく必要があります。

 

 

⑤生薬について

この範囲はほぼ捨てました

ほとんど勉強していないです。

 

やはり、暗記量に点数が見合わない分野だと思います。

しかし、暗記が得意な人は「覚えれば確実に点が取れる分野」ですので、やる価値はあるんじゃないかと思います。

 

すべて捨てるのが不安な人は、シキミ酸経路などの二次代謝経路を中心に勉強するのがいいと思います。

基本的には、骨格を見てどの経路から生成されているものなのかを選ぶという問題が主流です。

 

まれに、経路の出発点の物質が問われたりもします。

例えば、酢酸マロン酸経路の場合、「アセトアセチルCoA+6分子のマロニルCoA」みたいな感じです。

 

その他にも、アルカロイドに関してはどのアミノ酸が由来であるかを判断する必要があります。

トロパン骨格を含有するならオルニチン、ベンゼン環の隣にNがあるならトリプトファンベンゼン環から離れた位置にNがあるならチロシン由来といった感じです。

 

 

生物

生物です。私は、物理・化学・生物の中で一番苦手でした。

というか、全科目の中で一番苦手でした。

生物の目標は、必須問題を落とさないようにすることです。

 

そして、今までの分野と違い生物は捨てれる部分がほとんどないです。

まずは、全体的に広く浅くやっていきましょう。

 

 

生物の内容を大きく分類すると

①細胞について

②栄養素について

代謝について

④遺伝について

⑤人体の成り立ちについて

⑥免疫について

⑦微生物について

に分類できると思います。

 

一つずつ解説していきます。

 

 

①細胞について

全体的に重要ですが、特に重要なのは「細胞小器官」、「接着構造」、「細胞周期」あたりでしょうか。

 

生物は基本全て暗記になるので、覚えるまで立ち止まるのではなく、忘れてもいいから次に進み、周回を重ねて繰り返し何度も見返すというのが重要だと思います。

 

 

②栄養素について

脂質、糖質、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、たんぱく質について学びます。

まずは、それぞれどのような物質であるかを構造式とともに覚えましょう。

特に糖質、アミノ酸、ビタミンの構造は重要になってきますので、必ず覚えましょう

 

ビタミンはその役割も聞かれることが多いです。これは、生物ではなく衛生で出題されることもあります。

 

 

代謝について

ここが1つ目の山だと思います。

そして、国試でもよく出題される部分です。

 

まず、それぞれの経路を覚える必要があります。

解糖系や尿素回路、β酸化やコレステロールの生合成等、どのような物質が関わってくるかが重要です。

特に、反応して出来上がる物質や、不可逆的な反応、ATPが関わってくる反応は重要になってきます。

ほとんどの部分が出題されやすいですが、ケトン体の利用やペントースリン酸回路は出にくいイメージがあります。

 

 

④遺伝について

ここが二つ目の山になると思います。

最近、遺伝子工学がかなり熱い分野ですので、出題の割合も多くなるのではないかと思います。

 

まず、核酸塩基の構造は覚えましょう

アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル、この5種類です。

そして、それぞれの生合成と分解のされ方を覚えましょう。

ピリミジン塩基とプリン塩基によって方法が異なってきます。

 

その後は、セントラルドグマについて理解していくことになると思います。

複製に必要な酵素の名前や、DNAの複製や転写、翻訳の流れなどは必ず覚えておきましょう。

文字だけでは覚えにくいと思いますので、イラストを利用してイメージで覚えたほうがいいと思います。

 

前述しましたが、遺伝子工学がかなり熱い分野ですので、ここの対策はしておくことをお勧めします。

 

 

⑤人体の成り立ちについて

いわゆる機能形態学にあたる部分です。

ここは、まさに広く浅く覚えてください。

 

他の科目との兼ね合いを考えるなら、薬理などで役に立ちやすい内分泌系の分野から勉強するのがいいと思います。

 

 

⑥免疫について

ここが第3の山です。

 

まずは、免疫にかかわる細胞を覚えましょう。

それぞれがどのような働きをするのかが重要です。

その後、細胞性免疫や体液性免疫へのそれぞれの細胞のかかわりや、補体の活性化、T細胞による抗原の認識など細かい部分を覚えていきましょう。

 

また、抗体の種類と特徴や、インターロイキンの種類と特徴などは必須問題で出てきてもおかしくはないので、しっかりと覚えましょう。

 

 

⑦微生物について

ここが最後の山です。

 

微生物を覚えるときは分類ごとに分けて覚えるのがいいでしょう。

グラム陰性菌か陽性菌か、球菌か桿菌か、嫌気性か好気性か、芽胞は形成するかしないか等、分類の仕方は様々ありますので、自身でいろいろ比較してみるのがいいと思います。

当たり前のことですが、少数派の仲間はずれが試験では出題されやすいです。そのことを頭に入れて勉強すればいいと思います。

 

また、この分野は衛生とのつながりも強いですのでしっかりと勉強しましょう。

 

 

衛生

衛生です。

衛生の目標は、理論問題にも対応できることです。

 

得意科目がないという人は、衛生を得意科目にするのが比較的簡単だと思います。

ですので、ぜひしっかりと勉強し、得意な科目にしてみてください。

 

 

衛生の内容を大きく分類すると

①保健統計・疫学について

②疫病について

③栄養について

④物質の生体への影響について

⑤生活環境について

 

に分類できると思います。

 

一つずつ解説していきます。

 

 

①保健統計・疫学について

個人的には比較的簡単な分野だと思います。

暗記する部分もありますが、計算が出題されることもあります。

 

計算は、「年少人口指数」、「純再生産率」等、他のものと混同してしまうものは要注意です。

また、オッズ比の計算などは確実にできるようにしておいてください。

 

 

②疫病について

ここでは感染症生活習慣病、母子保健や業務上疾病について学びます。

感染症がかなりのウエイトを占めているので、それについて解説します。

 

感染症に関しては、感染症法における分類をもとに覚えていくのがいいと思います。

1~3類感染症はすべて言えるようにしておいてください。

重要な感染症に関しては、特徴や感染経路も覚えておきましょう。

 

また、それぞれの感染症に対する対策についても覚えておく必要があります。

就業制限等の措置を受けるのはどの感染症か言えるようにしましょう。

 

さらに、母子の垂直感染に関する問題もよく出題されます。感染経路も含めしっかりと覚えておきましょう。(ここは母子保健にも関わってくる分野です。)

 

ワクチンについても出題されやすいです。

特に、生ワクチンであるものを問う問題や、予防接種の注意点は必須問題や実践問題で出る可能性があります。

コロナワクチンが騒がれている時代ですので、ワクチンに対する関心は高まっているのではないでしょうか。

 

生活習慣病、母子保健や業務上疾病も重要な部分ですのでしっかりと学んでおきましょう。

 

 

③栄養について

衛生の分野で出やすい栄養は、ビタミンとミネラルです。

この二つはしっかりと勉強しましょう。

 

また、Atwater係数を用いた計算や、呼吸商の計算はしっかりと押さえておきましょう。

少し出題の可能性は少ないですが生物価の計算なども出るかもしれません。

 

この分野では食品衛生についても学びますので、それも少し解説します。

 

食品衛生では、発がん物質の部分が難しい範囲となります。

どうしてもわからない場合は、この発がん性の部分は捨ててもいいかと思います。

 

重要なのは、「油脂の変敗」、「食品添加物」、「特別用途食品」、「食中毒」です。

この範囲についてはしっかりと勉強しましょう。

食品添加物は、構造式を見てその使用用途が答えられるようにしておく必要があります。

食中毒は、生物の微生物をしっかりと勉強していると少し楽ができます。

 

 

④物質の生体への影響について

重要なのは、「重金属」、「PCB」、「農薬」、「解毒剤」、「乱用薬物」、「化審法、化管法」あたりでしょうか。

 

特に農薬はよく出る範囲です。

農薬の作用機序や解毒薬はもちろん、構造式を見て解毒薬を選択するような問題も出ます。

 

乱用薬物に関しては、精神依存と身体依存の有無や、尿中未変化体の有無も重要になります。もちろん、構造式も重要です。

また、摂取方法も知っておくと実践問題で役に立つことがあります。

 

 

⑤生活環境について

ここはとてもよく出る範囲ですので、全範囲満遍なくやる必要があります

特に、「水環境」、「大気環境」、「室内環境」は重要です。

 

水環境では、塩素要求量や水質基準が特に大切です。

また、下水処理の方法や、BODなどもよく出題されます。

 

大気環境は、大気汚染物質の特徴とその測定法をしっかり覚える必要があると思います。

 

室内環境は、気動の算出やシックハウス症候群についてが大切です。

 

 

薬理

ここは薬学生ならば必ず取らなければならない教科です。点稼ぎ科目です。

薬理が得意科目という方は少し損です。なぜなら、薬理が苦手な人もある程度高いレベルに仕上げてくるため、差がつきにくいからです。

そのため、薬理しか得意科目がない人はもう1科目得意なものを作りましょう。

 

薬理は暗記科目ですが、ある程度の理解も必要になってきます。

「アセタゾラミドを使うとどうなるか?」という問いに「近位尿細管で炭酸脱水酵素を阻害するので排尿を促します。」と言うだけでは少し物足りません。

この作用の裏で、他に何が起こっているかを考えなければなりません。

有名なのは低K血症ですよね。

他にも、代謝性アシドーシスも起こりえます。

 

これらはなぜ起こるかわかりますか?

おそらく、暗記だけで乗り切っている人にはわからないと思います。

これらの副作用も全て暗記できるのならそれでもいいのですが、そういう人はあまりいないでしょう。

これらは体内で起こっているイオンの移動を見ていけば暗記せずともわかるようになります。(青本に機序は載っていますので、探してみてください。)

 

覚えるだけではなく、理解するという観点で薬理を勉強していかなければ、おそらくかなりキツイことになると思います。

また、常になぜそれが起こるのかを考える癖をつけるようにすると、単純な暗記だけで終わらず知識がより定着すると思います。

 

おわりに

長々と書きましたが、一番重要なことをお伝えします。

それは自分にあった勉強法を9月の時点までに決めておくということです。

どのようにしたら暗記がしやすいか等は8月中(できれば早い時期)に探っておいてください。

 

9月の時点で自分に合った勉強方法がわからない人は、勉強方法を探すのはあきらめてとりあえず参考書を前へ前へと進めたほうが得策です。

勉強法を探って時間を使うよりも知識を一つ身に着けたほうがいいです。

 

そして、勉強を始めたらコンスタントに続けることが重要です。

勉強する日としない日をはっきりと決め、例外は作らないようにするのが望ましいです。

特に理由もなく勉強する日にサボってしまうと、それは以降も続いていきますのでご注意ください。(経験済み)

 

では、皆さんの国家試験合格を心よりお祈りいたします。